【最低限】今シンガポールに入国する人が知っておくべきこと
こんにちは。6月18日にシンガポールの行動規制がフェーズ2に移行してから、実は入国規制もかなり緩和されてきています。
フェーズ2開始直後にシンガポール日本商工会議所らが行った調査では、フェーズ2以降に入国申請を行った日系企業のうち8割以上がMOMからの承認を得られたとのことです。私の勤め先や他の大手日系企業から見聞きしている状況ですと、今では新規のEP申請も滞りなく承認されており、入国申請も拒否されたケースは聞いたことがありません。
このタイミングでシンガポールに入国する方も多いと思うので、今回は今シンガポールに入国をする方が必ず知っておくべき情報についてお届けします。入国手続き等ついても、私が入国サポートを行った方々からヒアリングした内容に基づき記載しております。
※以下の内容は2020年7月31日時点の情報で、随時シンガポールの規制・オペレーションが変わる可能性がありますので、ご了承ください。
シンガポールのコロナウイルス感染状況
7月に入ってからも、シンガポールでは毎日100人~500人程度の感染者が発生しています。1日1000人以上発生していた4月のピークは過ぎましたが、依然感染拡大は落ち着かない状況です。
ただし、現在シンガポールで発生する新規感染のうち、95%以上は外国人労働者の寮から発生しています。寮には建設業等に従事するインド・バングラデシュからの出稼ぎ労働者が10人~20人程度の相部屋で暮らしており、感染の歯止めが利かなくなっている状況です。市中感染はほぼ毎日1ケタ人なので、普通に生活しているうえでの感染リスクは決して高くありません。
ただし、街の整備・清掃などを担ってきた外国人労働者が働きに出れない状況が続き、蚊が多く発生してデング熱が流行するという別の問題が発生しています・・。
入国前に準備すること
シンガポールからの入国承認が下りると、手続きや準備物、隔離期間中の対応などがEメールで案内されます。このメールがとにかく長く、何をしたらいいのかわからない・・・。
要約すると、最低限準備が必要なのは以下です。最悪の場合到着後に入国拒否されてしまうので、必ず対応してください。
- "SG Arrical Card"のアプリをダウンロードし、入国3日前~日本離陸までにHealth Declaration を送信する
- MOM entry approval(入国承認メール)およびIPA(ビザ仮承認レター)を印刷し、渡航時に持参する
- シンガポールのローカルSIMと、使用可能な携帯端末を用意する(シンガポールで用意してもらい、シンガポールにいる方から、入国後に渡してもらうことでOKです。携帯番号は必ず事前に届け出が必要です)
- 体温計、マスク(当面使う分)を用意し、渡航時に持参する(シンガポールでは現在マスクをしていないと300ドルの罰金になります)
上記4点は必ず準備してください。SG Arrival CardのHealth Declaration入力時に、「Resident」と「Tourist」を選ぶ欄がありますが、住所不定の新規入国者の場合、長期ビザホルダーでも「Tourist」での入力が必要のようです。私がサポートしたEPホルダーは皆さん「Resident」で入力しましたが、空港で再提出させられたようです。
入国時の手続き
7/20以降、日本から入国する方は政府指定ホテルで隔離されることになりました。入国後、ホテルに連れていかれるまでは滞在場所はわかりません。
私がサポートした方は、シャングリラホテル、マリーナベイサンズ、マンダリンオーチャード等、運のいいことに5つ星のホテルばかりに滞在されています。14日の滞在費用は定額2,000ドル(食事込)なので、むしろ格安で普段よりもいい場所に滞在できるかもしれません。
日によって多少の違いがあるようですが、入国時の手続きは概ね以下の通りのようです。
・着陸(機内では特に手続きは無し)
・機外へ出た後、待合室で健康チェック、熱の測定、アンケートの回答(聞かれる内容は最近病院に行ったか、どういった理由か、等)。
・係員が必要書類を確認後、シールを与えられ、荷物や服に貼りつける。
・入国手続き(通常のイミグレカウンターではなく、通用口のような場所で行うが、手続きは通常通り指紋採取・写真撮影など)
・荷物をピックアップした場所で待機し、10人程度のグループごとにバスの待機所へ案内。
<離陸からここまでで40分程度>
・バスがホテルへ到着後、会議室のような場所で改めてアンケートを記入。(健康状態等)
・係員と面接を実施し、ホテルの食事・ランドリーの使い方等の説明を受けた後、部屋に入るよう指示される。
<離陸から入室までで2時間程度>
入室後、14日間の隔離が始まります。
SHN期間の過ごし方
もちろんですが、隔離期間中の14日間は1歩も外に出ることはできません。14日の定義は、厳密には到着翌日から14日目の正午までです。ただし、外部からの差し入れや、デリバリーサービスのオーダーは基本的に問題ありません。私自身も3名の方に差し入れにいきましたが、ホテルの担当者経由であるものの問題なく受け渡しができました。
食事は3食ともホテルから提供されます。食事をキャンセルして滞在費用を下げることはできないようです。
ラウンドリーサービスは、ホテル毎に普段よりも安い値段で提供されているようです。
SHN開始から1~3日後、お役所から登録されている携帯にSMSが届きます。ここで、ダウンロードすべきアプリや、1日3回の体温の入力方法等をガイドされます。2,000ドルおよびPCR検査代の支払い方法も案内されるので、アプリにクレジットカード情報を入力して支払いましょう。
人によっては毎日お役所から電話がくる場合等もあるようです。電話はSMSは1時間以内にリアクションすることが求められるので、常に携帯には注意しておきましょう。(大変ですが・・)
SHN開始から10日近く経過すると、SMSまたは電話でPCR検査の日程が届きます。病院へ行くように求められる場合と、ホテルに医師が来てくれる場合があるようです。病院に行く場合は、指定時間に到着するよう、自身でハイヤーを予約していく必要があります。指定のハイヤー会社等はそのタイミングで指示がありますので、それに従ってください。
SHN終了後の動き
SHN終了後、通常の生活ができるようになります。その後にEPを新規申請される方はEPSCに早めに訪問しましょう。通常は1週間程度で発行されますが、現在はEPSCに行った後EPが届くまで3週間程度要するようです。EPが発行されてから、銀行口座の開設、携帯電話の契約等々ができるようになります。
覚えておくべき単語等
- SHN:Stay Home Notice=入国後14日間の隔離のこと。日本とは違い隔離は厳重に管理されており、違反した場合はシンガポールからの永久追放、EPホルダーの場合は申請会社が以降1~2年EP申請ができなくなる等、非常に厳しい処罰が課せられる。
- MOM:Ministry of Manpower。日本で言う厚生労働省のうち、労働に関する業務を担当している省。
- MOH:Ministry of Health。保健省。日本でいう厚生労働省のうち、「厚生」に関する部分を担当する省。
- Swab Test / Swab :PCR検査。
- EPSC:EP Service Center。EPのカードを発行するためには、入国後にこちらに訪問して指紋採取・写真撮影をする必要がある。所在:The Riverwalk
- (20 Upper Circular Road, #04-01/02)
まとめ
7/20以降、日本から入国した場合のSHN滞在場所が政府指定になってしまいましたが、高級ホテルに泊まれる可能性が高い、3食政府が提供してくれる、空港からのバスも用意してもらえるなど、自分でホテルを手配するよりもいい環境になっているかもしれません。
シンガポールに知り合いがいる場合は差し入れなどを貰いながら、なんとかSHNを乗り切りましょう!!